「エモい映像」で思考停止するな。AIディレクターにボコボコにされて気づいた本当のインサイト
- info7371576
- 14 時間前
- 読了時間: 3分
クリエイターという生き物は、放っておくと「自分が気持ちいい表現」に逃げてしまいます。特に映像の世界では「エモさ」という言葉が便利すぎて、思考停止の隠れ蓑になりがちです。
今日は、僕があるインバウンド案件の企画を練り上げる中で、
AIを「最悪の敵」に仕立て上げることで、独りよがりの表現を徹底的に削ぎ落としたプロセスを公開します。
あなたの「エモい」は、クライアントにとっての「ゴミ」かもしれない
先日、某大手観光代理店から「欧米豪向けの地方旅館PR動画」のコンペ依頼がありました。
僕の頭の中には、美しい朝靄の露天風呂、職人の繊細な包丁さばき、そして叙情的なシネマティック映像が完璧に出来上がっていました。
「これぞ日本の美。絶対エモい。絶対刺さる」
……そう確信して企画書を書き始めた瞬間、嫌な予感がしたんです。この「自分だけが盛り上がっている感覚」こそが、過去に何度も
「ありがちだよね」と一蹴されてきた、あの失敗のサインではないかと。
そこで僕は、企画を書き進める前に
AIを「最悪に意地悪なクライアント」に変えるという
禁断の手法を試しました。
AIを「褒めてくれるアシスタント」にするのは卒業だ
まず、ChatGPTに以下のような設定を叩き込みました。
あなたは、ニューヨーク在住の、投資対効果(ROI)に極めて厳格で、日本のステレオタイプな表現に飽き飽きしている辛口クリエイティブディレクターです。今から提案する企画に、容赦なくダメ出しをしてください。
AI(辛口ディレクター)からの返答は、血も涙もないものでした。
「また朝靄の露天風呂? 10年前の観光ビデオから進歩してないの?」 「その包丁さばきを見て、ニューヨークの富裕層がわざわざ20時間かけて飛んでくると思うか?」 「シネマティックという言葉で、具体性のなさを誤魔化すな」
正直、画面を閉じたくなるほど痛かった。
でも、これが「事前検死(プレモータム)」の効果です。自分が情熱で盲目になっていた「既視感」や「独りよがりな演出」が、一気に可視化されました。
「風景」を見せるのをやめ、「価値観のアップデート」を売る
次に、AIにターゲット層のペルソナ(30代・年収2,000万・体験型観光を好む豪州人女性)を憑依させ、本音を吐かせました。
彼女(AI)は言いました。 「綺麗な風景は見飽きた。私が知りたいのは、そこに泊まることで『私の人生の価値観がどうアップデートされるか』というストーリーよ」
ここから企画が劇的にシャープになりました。「風景を見せる」のではなく、「その土地の住人と交流し、人生観が変わる旅のドキュメンタリー」へシフト。旅館は主役ではなく、その体験を支える「舞台」として再定義したのです。
さらに、AIに「冷徹なCFO(財務責任者)」を演じさせ、予算承認会議をシミュレーション。MEO対策やSNSでの二次利用プランまで、ロジックをガチガチに詰めました。
クリエイティブを「投資案件」へ翻訳する技術
一日中、AIにボコボコに叩かれ続けたおかげで、完成した企画書には「穴」がほとんどなくなりました。 僕がやったのは、「自分が作りたい映像」を、「クライアントが買うべき投資案件」に翻訳する作業です。
今回活用したAI使用のポイントは3つです。
悪魔の代弁者(デビルズ・アドボケート):AIに批判者を演じさせ、自分の確証バイアスを破壊する。
事前検死(プレモータム):失敗の原因をあらかじめAIに挙げさせ、先回りして対策を講じる。
マルチ・ペルソナ:制作側、クライアント側、視聴者側の3点をAIで行き来し、解像度を高める。
明日のプレゼン、相手がどれだけ意地悪な質問を投げかけてきても、
今日AIから言われた言葉よりはマシでしょう。 ▼お問い合わせはこちら
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